仮病で会社を欠勤した1日目 朝起きると体が磁石みたいに・・・

初めて訪問する方へ。うつ病時代のまとめ「社内ニートでうつ病になり休職のまま退職したサラリーマン時代のブログ」にて初めの記事から読むことができます。

入社して以降、常に苦しかったです。自分で自分を操縦するのはこんなにも難しいのかと思うほど難しかったです。

  • 新人研修で始まった言葉を発せないという症状
  • 配属後もうまく人と話せず、周囲に馴染めない
  • 成長することなく終わった1年目
  • 客先でミスを連発する情けない日々
  • 設計書がないシステム保守業務はさっぱりわからない
  • 社内ではひとりぼっち
  • プライベートもひとりぼっち
  • 気づけば他の人が僕の仕事をするようになり社内ニートへ

上司はこんな情けない僕を面談室に連れて行き、上司によるダメ出しが行われました。その後、そのダメ出し一つ一つに対してどうすればそれを克服できるのかを答えさせられました(詳細は「「考えろ!」と言われても「考える」という文字しか浮かばない」にて)。

でも、もう何かを考えるということができませんでした。頭の中は「考える」という文字しか考えられないほどでした。考えるためにどうやって脳を動かすのかさえわかりません。

とは言え、僕なんかより辛い体験をしている人は山のようにいるはずです。残業200時間超の人、月1,2日しか休みがない人、そういう人に比べると僕の事例は大したことはないのかもしれません。僕の場合は自損事故です。自分がダメ人間で会ったばっかりに、社内ニートになったわけです。でも、僕の中では一杯一杯でした。

その面談の翌日の話です。

いつも通り8時20分後に起床

前日はいつも同じように夜の3時30分くらいまで起きていました。「朝が嫌いだから夜寝たくない話」にて書いたように、寝てしまえばすぐに嫌いな朝がやって来ます。だから、最低限の睡眠時間が確保できる時間ギリギリの3時30分まで起きるのが僕の毎日の生活でした。

それから約5時間後の8時20分にケータイのアラームがなり起床しました。

でも、なかなか起きられませんでした。

体が磁石で床にくっついているかのように体が動きません。

このような感覚はここ数ヶ月間ずっとありましたが、この日の朝はその中でも一番強力でした。頭も持ち上がらないし、腕さえ上がりません。

動かない手を必死に動かしてケータイのアラームをオフにしたのですが、その後しばらくの間ボーッとしました。

仮病で休むことを決める

ふと時計を見ると8時35分になっています。

「今から5分で用意して40分までに家を出れば9時少し過ぎに会社に到着する」と頭で考えましたが全く行動には移さず、ただボーッとしていました。なんだか他人事のような感じでボーッとしていました。

やがて8時50分になり「今日はどうしようか」と思いました。

そうだ、今日はもう会社へは行かないことにしよう。

病気になったことにしよう。

熱があることにしよう。

昨日の夜から熱があったことにしよう。

つまり、仮病を使うことにしました。

震えながら会社に電話をする

9時頃にようやく起き上がり、意味もなくテレビをつけました。そして、テレビの音を小さくしました。

コンビニ弁当や空き缶などゴミで散らかった床の上に自分の名刺が落ちていたので、その名刺に書かれている会社の電話番号をケータイに入力しました。

ケータイを落としそうなほど動悸が激しくなり手が震えましたがなんとか入力し、あとは通話ボタンを押すだけなのですが押す勇気がありません。

誰が電話に出るのか?

上司は社内にいるのか?

いなかったらどうすればいいのか?

「熱があるので休みます」という理由で休めるのか?

考えれば考えるほど不安になりましたが、このままの状態が続く方が心臓に悪い。さっさと終わらせなければと思い、エイヤッ!!と通話ボタンを押しました。

「きっと電話の呼び出し音がすごく長く感じるんだろう」と思っていたのですが、1コール目であっけなく繋がりました。

電話に出たのは僕より15年以上先輩の女性社員で、すぐに上司に取り次がれました。

上司「はい、○○(上司の名前)。どうした?」

僕「あ、あいことです。昨日の夜から熱がありまして、今日も熱が下がらないので休みます」

上司「了解、体に気をつけて」とだけ言われて切れました。

手まで震えて、あんなに不安に感じていたのに、あっけなく休めました。

少しだけの開放感もすぐに閉塞感へ

電話を終えたとき9時20分すぎでした。9時すぎくらいから電話をかけることと格闘していたようで約20分も時間を使っていたようです。

「今日は会社に行かなくていいんだ」

開放感を感じました。

が・・・

11時30分を過ぎたあたりから、開放感はなくなり閉塞感へと変わっていきました。

なぜなら明日のことが気になったからです。

一体、どんな面をして会社に行けば良いのでしょう。

それに、期日までにしなければならなかった勤怠管理システムの締め作業をしていません。相変わらず何の予算を入力すればいいのか知らないので、そのあたりを上司に再び聞きに行く必要があります。もしかしたら上司が勝手にやってくれたかもしれません。その場合は、上司にそれとなくその話を聞いてお礼の言葉を発したりしなければなりません。

僕は話をすることが苦手でしたので、これらの行動を思い浮かべるだけでも本当に苦痛でした。

そして、それよりもっと大きな問題は、僕が社内ニートであることでした。

前日に行われた上司との面談では数え切れないほどのダメ出しをされ、そのダメ出しに対してどう克服するかを問い詰められ、一応それらしい回答をしたことになっていますので明日からはその姿を見せなければなりません。

でも、社内ニートです。それに面談の内容はほとんど覚えていません。強い口調で責められ続けられるだけで、僕は一切の思考が止まっていたので当然です。

なので、出勤しても明日以降も同じような社内ニートでダメダメな僕の毎日が繰り返されるだけです。

明日どうするのか

明日も仮病を使うのは不自然です。上司には「昨日の夜から熱があった」と伝えましたので、今日1日休んだのに明日も熱が下がらないのは不自然でしょう。

それに仮病で会社を休むというのはおかしなことです。非常事態です。こんなことを続けるわけにはいきません。

最近の若者はすぐ会社をやめるという話があります。そして、僕はそういう若者をどちらかと言えば軽蔑さえしていました。でも、今の僕はすぐに会社をやめる若者そのものです。

だから「明日は会社に行こう」と思っていました。