2010年7月に社内ニートになり、9月には仮病で連続欠勤、うつ病と診断され1ヶ月の休職となり、9月末に2ヶ月の休職追加が行われ、そのまま9月、10月、11月と家に引きこもる生活を過ごしました。
そんな11月中旬の話。
休職前半の9月から11月はずっと低空飛行
休職が始まった直後こそはいきなり元気になったような感じでしたがそれも続かず低空飛行となりました。
それ以降、薬が劇的に効くわけでもなく、薬の量が増えたり薬が変わったりを繰り返すだけでした。
うつ病の人は薬が劇的に効くという話をどこかで読んだことがあったので、薬が全く効いていない僕はうつ病じゃなくてただの甘えなんだろうなと感じました。
薬が効くか効かないかは個人差もあるのでなかなか効かない人もいるようです。
たったの10の行動しかしていない休職序盤の3ヶ月
休職した最初の3ヶ月でやったことは以下の10つです。
- 寝る
- 布団の上でゴロゴロする
- テレビをみる
- ネットする
- シャワーを浴びる
- 歯を磨く
- コンビニに行く
- 飲食する
- トイレに行く
- 通院する
この10の行動しかしてなかったと思います。
洗濯をしたり、部屋掃除をしたりなどは一切しませんでした。
なので部屋はめちゃくちゃ汚かったです(掃除に至っては、休職から7ヶ月がたった引越しの準備の際にようやく実施したほど、掃除をしませんでした)。
唯一の人との繋がりである両親とも連絡を取らない
人との繋がりがなく、会話らしい会話を全くしない社会人生活において唯一の会話をする機会が両親への電話でした。
でも、仮病をして会社を休み、うつ病と診断されて休職に入ると、両親と連絡を取ることはなくなりました。
連絡することがあってもSMSやE-mailでのやりとりだけで、電話で会話をすることはしませんでした(当時はガラケーの時代なので、LINEなんて存在しません)。
理由は2つありました。
- 今の惨憺たる有り様を見せたくない。両親を心配させたくないという思い。
- 両親にも理解されないのではないか?という不安。
前者に関しては、「大学まで出させてもらったのに、就職した会社で働くことができずに、家で引きこもっているだけなんて、申し訳ない」という思いです。
後者に関しては、以前「仕事の悩みを親に相談するも理解されなかった話」にて紹介したことですが、両親に仕事の悩みを相談したものの思いが全く届かなかったからです。
両親に相談した時の僕は誰も相談する人がおらず、両親が最後の望みでしたので、「みんな苦しいのは当たり前だから、もっと頑張らんと!」のようなやりとりで終わったときは、僕はパワー喪失や自己嫌悪やらのネガティブな要素に支配されました。
ですので、「うつ病で休職している」という話を両親にしても、「みんな苦しいのに、なぜ甘えてるの?」とか、「お母さんも休めるなら休みたい」とか、言われるのではないかと思いました。
休職で少し元気になったから?両親に電話した
とはいえ、休職が始まった2010年9月から11月の3ヶ月間にわたりずっと無会話というのは寂しいものでした。
コンビニの店員さんが聞いてくる「温めますか?」「箸何膳ですか?」。
心療内科の医師が聞いてくる「最近どうですか?」。
おそらく、これらの質問に答えるときしか他人と会話をしていません。
僕は、もともと独り言が多い人でしたので、一人でいる時も独り言をブツブツとしゃべってはいましたよ。
そんな毎日が過ぎ、すっかり寒くなり布団から出ることがますます難しくなってきた11月下旬、ついに実家に電話しました。
今思えば、9月からずっと休んでいたので、少し元気になっていたのかもしれません。だから、実家に電話できたのかもしれません。
うつ病と休職の話を親にした
電話をする前にすでにうつ病や休職のことを話そうと決めていました。
会話だと交換する情報量が多い
例えば、SMSやE-mailだと送信できる情報量が限られています。
親「最近元気なの?」
僕「うん元気」
極端に言えば、これくらいの情報量でしょう。だから、「うつ病になった」「休職した」という情報を送信しなくてもごまかせます。
一方、電話だとそうはいきません。ガラケーで文字を打つスピードと会話をするスピードだと、会話をするスピードの方が圧倒的に速いです。
上述した「最近元気なの?」「うん元気」という会話は4秒でできてしまいます。
そして、たったの4秒で会話が終了し電話を切る人はいないでしょう。
わざわざ元気を振る舞う電話をする意味がない
ガラケーの画面に表示される僕からのメッセージでは僕の変化には気づかないでしょう。どうせゴシック体の文字なので、「元気・・・」「元気!」とかくらいでしか元気具合を表現できません。
でも電話だと僕の声で話さなければなりません。もちろん、電話の僕の声は僕の本物の声ではなく、僕の声に似た音で表現された声です。でも、文字では表せられない行間、雰囲気、声の強さなどが表現できます。
親は僕の親です。僕の人生24年のうち18年間毎日一緒に過ごしてきた家族です。
僕が電話で「うん、最近元気だよ。仕事もうまくいってる」と落ち込んだ声で言ってもバレるかもしれないなと思いました。
そして、嘘がバレるって何よ?とも思いました。
嘘をついてまで親と電話するのか?なんじゃそりゃ?
- 僕は会話したい。
- そうだ親に電話しよう。
- でも、親を心配させたくない。
- だからうつ病や休職を隠して嘘をつこう。
なんじゃそりゃ?です。
元気な人の役割を演じるロールプレイ訓練でもやっているのでしょうか?
嘘をつく会話は、僕がしたいと思っている会話でしょうか?
いや、それはなんか違う。やっぱり、うつ病や休職の話はしよう。
親の反応
電話をとった母は結構びっくりしていました。「あら、めずらしいね」といった感じです。
なかなかうつ病や休職の話をする機会が来ない
「僕、うつ病で会社を休職してるんよ」とすぐに言えるものだと思っていたのですが、こういう時に限って親は会社の話を聞いて来ないし、最近の僕の話も聞いてきません。
- おばあちゃんが入院した話
- 家で飼っている猫たちが大喧嘩した話
- お父さんが酔っ払って泣きながら電話をしてきた話
- 風呂場のリフォームの話
- 近所の人のお葬式の話
- 親戚に赤ちゃんが生まれた話
こういう話をしている最中に突然、「僕、うつ病で会社を休職してるんよ」とはなかなか言えません。
これは僕の悪い癖で、その発言をするタイミングを見計らって、見計らいすぎて、結局何もせずに終わるというパターンです。
しばらく会話をしていなかったので、よくわからなくなっていたようです。
やっとうつ病の話をした
おそらく会話の終盤であろう頃に、やっと「言っとかないといけないことがあって・・・」
「うつ病で休職することになった」と言いました。
少し嘘をつきました。9月からすでに約2ヶ月半休職していますので、正確には「うつ病で休職している」なのですが、2ヶ月半のことはなかったことにしました。
- 自堕落な3ヶ月間だったから自分としてもなかったことにしたかったのか?
- すでに3ヶ月も休職しているとなると親はショックを受けるのではないかと思ったのか?
どっちの理由もあったのだと思います。
帰ってきなさい
その後、何を話したのかはあまり覚えていませんが、当たり障りのない会話と言えば当たり障りもないけど、親身になっていると言えば親身になっているような会話でした。
「あらあら、それは大変。しばらくゆっくり休みなさい」
「うつ病は誰でもかかる可能性がある病気だから心配する必要ないよ」
「今はしっかり休んで。明けない夜はないって言うでしょ」
親はガッカリしていたかもしれません。もしかしたら、心の中ではうつ病ではなく甘えだと思ったかもしれません。なんと声をかけて良いのかわからずに困惑していたのかもしれません。
でも、電話の声からはそういうものは見えませんでした。正常性バイアスとでもいうのか、親は至って普通にしゃべり続けていました。
そして、電話を切る時に、「帰ってきなさい。猫たちも待ってるから」と言われたのを覚えています。
よくわかりませんが、すごく猫たちに会いたくなりました。実家には6匹の猫がいて、みんなすごく可愛かったのです。
すごく実家に帰りたくなりました。
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