大学院は誰でも主役になれる?心療内科の医師が退職と進学に賛成した話

初めて訪問する方へ。うつ病時代のまとめ「社内ニートでうつ病になり休職のまま退職したサラリーマン時代のブログ」にて初めの記事から読むことができます。

うつ病休養4ヶ月が過ぎて回復してきましたので、僕は今後のことについて考える必要が出てきました。復職するか、退職して転職するかを考えていましたが、働いたところど再びうつ病になる気がしましたので、どちらの選択肢も選ぶ勇気がありませんでした。

そんな時、大学院への進学を考えるようになりました。もちろん、働きたくないなら学生に戻るしかないというネガティブな理由もありましたが、受験生の頃から大学院へ行くことを考えていましたので、心の底の方にまだその気持ちが残っていたわけです。

でも、自分1人では決められません。

そこで、医師と両親に相談することにしました。

医師は大賛成

この時期の心療内科への通院は予約日時通りに通院することはなく、だいたい1週間〜10日に1度くらいのペースで通院していました。なので大学院進学を思い立った翌日に病院へ行きました。

相変わらず混雑している病院で、リラックスとは程遠い状態の院内で1時間ほど待たされると僕の番がきました。おじいちゃん医師は相変わらずの「最近どうですか?」という難しい質問をしてきて、僕は四苦八苦しながら回答し、復職はせずに大学院へ進学しようと思っていることを伝えました。するとおじいちゃん医師はこんなことを言いました。

「大学院。いいですね。そう言えば、あいことさんは卒業論文を頑張っていたと言ってましたね。研究の方があっているかもしれません。それに大学院に行けば、みんな主役になれますから。」

  • 研究の方が合っている
  • 大学院ではみんな主役になれる

この言葉は僕の大学院進学の意思をダイヤモンドより硬くしました。

あいこと
あいこと

主役になれるのかぁ〜

今までの社会人生活では人とも接していないし、何をしたらいいのかさえわからず、ただ息をして生きているだけでした。主役でもなく、登場人物でもなく、モブキャラみたいな存在でした。そして、モブキャラにも関わらず、生きることが難しくて、心は傷ついて、うつ病休職により世界から完全に離脱していました。

そんな僕が主役に戻れるかもしれないのです。しかも、医師曰く、僕は研究の方が合っている可能性があると!

今思えば、どの言葉にも根拠もないわけですし、僕の場合十中八九に当てはまらないことが多い人なので、この言葉が真実であったとしても、僕だけ例外という可能性は大いにあります。

でも、すごく、すごく、将来が開けた気がしました。

社会人生活は辛いことばかりでした。しかし、大学院生活でこの辛さよりも辛いことに出会うとは思えませんでしたので、心配や不安もなくなりました。だって、大学院では主役になれるのですから!(そして、もちろん、この時の診察時間もたった2、3分でした。毎回2、3分しか診察してくれない医師の言葉をよくそこまで信じたものだと思います)。

オールオッケーな両親

両親へ相談したときのことはほとんど覚えていません。

一つ覚えていることは、願書の提出を急かされたことです。このまま自堕落に時を過ごすかもしれない息子になんでもいいからやってほしいという思いからなのか、すぐにでも願書を取り寄せて今すぐ願書を大学に出しなさいと急かされました。

このとき、すでに1月でしたので2月の大学院にはギリギリのタイミングでした。僕は大学院に行くことを考えているにも関わらず、そういうスケジュールについては全然考えていませんでしたので、親が急かしてくれなかったら願書提出が間に合わなかったかもしれません。

こうして、医師も両親が大学院進学を支持してくれたので大学院へ行こうという意思は強くなりました。

今にして思えば、僕が「復職する」と言えば、両親は復職することに賛成したと思います。転職するという言えば、それも賛成したことでしょう。つまり、両親は反対意見は言わなかったことでしょう。

大学院へ行く意思固まる

こうして大学院へ行く意思が固まりました。今にして思えば、一度くらい復職に挑戦して、それでもダメだったら大学院へ行けばよかったと思います。なぜかというと、大学院でうつ病を再発させてしまうからです(数え切れないくらい繰り返しうつ病で苦しみました)。また、今は研究員として働いているのですが、任期は3年で給料は安くて、日本学生支援機構には月8万円返済して、かなりしんどい生活をしています。会社に所属していることはすごいことなのです。それを辞めることはすごいもったいないことなのです。

もちろん当時の僕はそんな将来の苦労は知らないので、家族や医師に相談したことで不安がなくなり、「大学院へ進学して、もう一度人生に輝きを取り戻すんだ!」と前向きになっていました。

とは言え、まだうつ病が完治したわけでもなく、ようやく動いたりできるようになってきただけでしたので、大学院受験に向けての準備はかなりしんどかったです。次回に話をしますが、大学院受験って準備しなくちゃいけないものがたくさんあるのです。