新型うつ病なのかもしれない!と知ったときの失望感

初めて訪問する方へ。うつ病時代のまとめ「社内ニートでうつ病になり休職のまま退職したサラリーマン時代のブログ」にて初めの記事から読むことができます。

社会人2年目の7月から社内ニートになった僕は、やがて会社に行けなくなり2ヶ月後の9月上旬に約1週間に渡り仮病を使って会社を休みました。

いつまで仮病で休めばいいのか?という不安を抱えるようになったとき、心療内科にて「うつ状態のため1ヶ月の休職が必要」という休職診断書が発行されたことで仮病欠勤は終わりを迎え休職生活が始まりました。

そんな休職生活が開始された直後に思っていたことの話です。

再びやってくる開放感、そして閉塞感が来ない

上司に電話をして休職の云々の話を終えたのち、僕が感じたことは開放感でした。

今までの1週間は毎朝「熱があるので今日は休みます」と仮病を使って休んでいましたので、欠勤の電話をすることは本当に嫌な作業でした。でも、今日から電話する必要がなくなったわけです。1ヶ月休養しなければならないので。

その結果、今日から1ヶ月間は会社のことを考えずに毎日を過ごすことができます。

信じられないほど体が軽くなった気がしました。夜テレビを見ていて笑っていた記憶もあります。いきなり元気になったわけです。

さらに、時間が経っても閉塞感を感じませんでした。開放感はそのまま継続されました。いつもなら「明日もまた電話しなければならない」というプレッシャーから開放感なんて朝の11時くらいには消えてなくなっていました。

でも、今回は1ヶ月も休めるのです。そのため、開放感が維持され閉塞感は姿を潜めました。

うつ病ではなくうつ状態の僕は偽物?

開放感による元気の回復や閉塞感が消え去ったことで「変だなぁ」とも思いました。

僕は社内ニートでしたが、かなり恵まれた環境にいたことは間違いなく、会社自体はホワイト企業そのものでした(その後知ったことですが、休業中は給料の60%を手当としてもらうことができましたので、そのことからもホワイト企業だったと思います)。

社内ニートになったのは僕自身の努力不足に起因する部分が多かったように思います。にも関わらず、最後は仮病を使って1週間に渡り欠勤するという逃げを選んだわけです。そして、今や休職生活。

甘えている、逃げている奴がうつ病になるのか?

うつ病とは頑張ってる人がなるもので、僕みたいな落ちこぼれがなるのは変ではないか?

心の中ではそんなことを感じていました。

うつ病は、頑張ってる人がなる病気で、その症状はもっと深刻で、もっと根が深い。それが僕のうつ病像でした(例えば「月残業200時間、今月休みなし」みたいな人がなる病気)。

僕くらいの症状で「うつ病だから1ヶ月の休職が必要」となって良いのだろうか?

思い出してみれば、診断書を書くときに医師はこう言っていました。

うつ病と書くと今後のキャリアに悪影響なので、うつ状態と書いておきますね」

診断書にうつ病ではなくうつ状態と書いたということは僕の症状は完全なるうつ病ではなく、まだうつ状態とも言えるということです。

うつ病でもないのに休職している僕はなんと甘えったれなんだろう?

うつ病患者ではなく、偽うつ病患者なわけです。

病人を演じているつもりはありませんが、休職になった途端にこれだけ体が軽くなり、元気にさえなっている僕はやっぱり詐病だったのではないか?

もし、そうだったとすれば、僕は復職してもきっと働き続けることはできないだろう。だって、うつ病でもないのに、休職して逃げているんですから・・・。

うつ病になった人は激務や余裕がない環境に置かれている

僕は自分の症状について調べることをほとんどしてきませんでした。ネットで検索するということもほとんどせず、もらった薬は何も考えずに飲んでいました。

でも、うつ病についてはなんとなく知っていました。

「激務や過労によるストレスで心が疲れてしまう病気」みたいなことは知っていました。

休職が始まって毎日することはなく、ふと「うつ病 ブログ」などのキーワードでネット検索をしました。

検索結果には「サラリーマンの方がうつ病になってから毎日つけている日記のようなブログ」がいくつか表示され、僕もIT企業に務めるサラリーマンでしたのでそのブログを読みました。

そうしたブログには自己紹介ページやブログ開設直後くらいの記事に、うつ病に到るまでの軌跡や原因などが紹介されていました。

内容は本当に辛い、しんどいなどという言葉では表すことができないほどの内容で、かわいそうとさえ感じるような境遇を経て休職していたり、復職していたり、そういうブログばかりでした。

うつ病になった彼ら彼女らは、うつ病になる前は激務や余裕がない環境に置かれ、だんだんともしくは突然疲弊し、うつ病と診断されている。そんな感じでした。

僕は仕事がなく毎日定時帰りの超楽々生活なのにうつ病に

一方、僕はというと、残業も極端に多いわけでもなく(サービス残業もない)、会社の人は至って優しく、普通の人でしたら「こんなホワイト企業うらやましい」と思うでしょう。

でも僕はというと・・・

  • 新人研修でさえまともにコミュニケーションができない
  • 配属後もうまく人と話せず、周囲に馴染めない
  • ただ出社するだけで成長することなく終わった1年目
  • 2年目になり客先でミスを連発する情けない日々
  • 設計書がないシステム保守業務はさっぱりわからない
  • 社内でもプライベートもひとりぼっち
  • 社内ニートとして毎日出社するだけの日々
  • 上司にていたらくな状況を叱責される
  • 会社に行けなくなり、仮病で欠勤
  • うつ病のため休職1ヶ月必要と診断

どういうわけか上手く行きませんでした。

厳しい環境に晒されたからダメージを受けたのならわかります。

僕の場合は、優しい環境に置かれていたのに一人で転んで、最後には誰も面倒を見てくれなくなった。そんな感じなのです。

他のうつ病の方と僕とはこんなにも違うわけですから、うつ病という病名も違うのではないか?と納得いかない部分がありました。

新型うつ病?ただの甘えじゃない?僕に似てない!?

そんな時、どこかのサイトで新型うつ病というものを知りました。

新型うつ病とはこういうものだそうです(非定型うつ病と呼ぶそうです)。

どんより沈み込んだ状態が続くものの、よいことや楽しい出来事があると、それまでの不調がウソのように、たちまち元気になります。しかし、長続きはせず、また憂うつな気分に戻っていく、これが大きな特徴です。

引用元:非定型うつ病

新型うつ病のことを初めて知った時は、けっこう衝撃でした。

例えば、「仕事は行きたくないけど、旅行には行きたい」という友人がいたら、あなたはどう思いますか?

「それは新型うつ病ですね!」と思いますか?

僕だったら「甘えてるだけじゃん」と思います。実際、僕もそう思いました。

新型うつ病うつ病の特徴に以下の4点があるそうです。

  1. 過食
  2. 過眠
  3. 手足が鉛のように重く感じられる
  4. 拒絶過敏性

僕の場合は、1. 過食と2. 過眠と3. 手足が鉛のように重く感じられるの症状を感じていました。

食欲増加で太った

うつ病になれば食欲がなくなるはずなのに、僕はむしろ増えていました。飲酒量も増えていました。なので、かなり太りました。つまり過食気味でした。

寝ても寝ても眠い

もともとは寝るのが嫌で毎晩3時過ぎまで起きていましたが、仮病で欠勤するようになってから気づいたこととして、寝ても寝てもまた寝てしまうことでした。うつ病では不眠がちになると聞きますが、眠気のせいでやる気がなくなるくらい眠たかったです。

鉛どころか磁石のように床にくっついている

仮病で会社を欠勤した1日目 朝起きると体が磁石みたいに・・・」で書いたのですが、休職する数ヶ月前くらいから体が鉛のように重たい症状はあったのですが、仮病で休み始めた日にいたっては鉛ではなく床とくっつき合う磁石のごとき重さでした。

拒絶過敏性?

これは相手の言ったことなどをネガティブに理解したり、他人の顔色ばかり伺ったりすることのようです。僕はよく妻にネガティブ思考な人だと言われますし、もともとそういう人なのでこれは該当しないと思います。

でも、4つのうち3つが該当しました。あれ?新型うつ病って、僕の症状に一致していないか?

僕は逃げただけという強い失望感

新型うつ病を知ったとき、僕は「こんなのただの甘えじゃん」と思いました。

でも、その後よく調べて自分の症状と重ね合わせると僕は新型うつ病なのではないかと感じるようになりました。

心の中にあったうつ病とは本当に辛い環境に置かれた人がなる病気なのに、僕は少し転んでかすり傷ができた程度で休職したことに対する違和感は新型うつ病で説明される気がしました。

そして、すごくがっかりしました。自分でさえ「こんなのただの甘えじゃん」と思う病気が僕の病気かもしれないのです。失望感が襲ってきました。

「結局、嫌で逃げただけじゃん」

そんな風に思いました。