このブログはほぼ旅ブログだったのですが、今日からしばらく違う話をします。僕が大学を卒業してから現在に到るまでの話をしばらくします。人の歴史ほどつまらない話はないわけですが、読んでもらえると嬉しいです。
今日はその1つ目。楽しい4年間の大学生活は幕を閉じ、僕が社会人になった2009年4月の前後の話です。90%の不安、10%の期待を持って始まった社会人生活は、不安が的中し、うつ病のため2年足らずやめることになります。その始まり日、学生最後の日(3月31日)と社会人最初の日(4月1日)の話です。
僕の体験談から、学生最後の日にどんなことをやるべきだったのかを3つ紹介します。うち2つはどちらかといえば心構えで、1つがやるべきことです。
1. 不安は当たり前、ワクワクしろ!
3月31日、入社式のため東京へ向かう僕を見送りに新幹線駅まで来た父と母を見ながら、4年前のことを思い出しました。
約4年前、神戸の大学へ進学のため新幹線を利用した際にも、父と母は見送りに来ていました。その時の僕は不安より期待が大きくて、親元を離れ一人暮らしをすることや大学での活動などを想像しワクワクしていました。当時はスマホやSNS、Googleマップなんてない時代でしたから、本当に世界がすごく広く感じました。
今日はその4年後です。ついに社会人として自立する日が近づいて来たのです。僕は大学4年間で色々なことを学び、世界がそんな簡単じゃないことも知りましたし、地元から大学のあった神戸の距離も短く感じるようになりました。そのせいなのかワクワクする気持ちはほとんどありません。
どちらかといえば、僕は不安でいっぱいでした。90%が不安、10%が期待くらいなものです。
「僕は社会に通用するのだろうか?」
新幹線がホームに入ってくる直前くらいに、父親が「そんなに頑張らんでもいいからな」と言ったのをよく覚えています。父らしいアドバイスだなと思いました。
新幹線の窓から見える父と母は大きく見えました。やっと1人前に近付こうとしている僕と、すでに30年くらい社会で働いてきた父と母。「今から僕は本当に自立するんだ」と考えると込み上げてくるものがありました。それらを必死に抑えて、僕を見送る父と母と別れました。その時の父と母は本当に大きく感じました。
このとき、息子が2年もせずに会社を辞めるなんて両親は思ってなかったでしょう。本当に申し訳ない。
乗車した東京行きの新幹線は、明日入社式を控えたであろう学生が山のように乗っていました。リクルートスーツを着ているけれど見た目や雰囲気は大学生で、他人から見れば僕もそのうちの1人だろうけれど、なんとなくその雰囲気が息苦しくて馴染めなくて、東京までの道中ではこんなことばかり考えていました。
- 友人ができるのかな?
- 配属先が怖い人だけだったらどうしよう?
- 仕事でミスしたらどうしよう?
- 仕事が難しかったらどうしよう?
- 社会に通用しなかったらどうしよう?
社会人がどんなものなのか知らないため、不安に押しつぶされながら新幹線に乗っていました。
今思うと、意識高い系の本を読んだり、ミクシィ(当時人気だったSNS)に投稿されている先輩のイケてる社会人生活の投稿を見たりして、僕がどんな社会人になるのかワクワクしながら想像するべきだったと思います。
社会人生活に不安を感じることは当然ですが、新幹線車内の雰囲気にのまれたり不安に押しつぶされたりする必要はありません。でも、僕は社会人になるとどんなリスクが降りかかってくるのかばかり考えていましたので、社会人になってからも消極的な思考に支配されていました。
何事も始めが肝心です。最初からネガティブな考えをするのはやめましょう。社会人としてかっこよく活躍している自分を想像してワクワクしましょう。
2. 楽しかった大学生活への未練は捨てろ
3月31日の夜は、会社が用意したホテルに2人1部屋で宿泊することになり、札幌配属の新入社員と同じ部屋でした。彼は僕と同じ大学の人でしたが知らない人でしたので、少しだけ会話をしたあとは2人ともずっと携帯をいじっていました。彼は23時くらいには寝てしまいましたが、僕は3時くらいまで寝られませんでした。
僕は、その間ずっと携帯メールに大学4年間が終わらないでほしいという切実な思いをひたすら記述してい、送信はせずに保存していました。まるで呪いの言葉のように長々と。
メールに、「明日、目が覚めたら、4年前の明日に戻っていますように」なんてことも書いていた僕ですが、どんなに願っても過去に戻れるはずがありません。そんな不可能なことを書くくらいに楽しかった大学生活に未練があったわけです。
もし大学生100人に「大学生活は楽しいですか?」と尋ねれば、95人くらいは「はい、楽しいです」と答えると思います(あくまでも予想です)。大学生活はそれくらいに楽しいものだからです。
もし社会人100人に「社会人生活は楽しいですか?」と尋ねれば、30人くらいが「はい、楽しいです」と答えると思います(これも予想です)。
コンサルで働いている友人が言っていたことなのですが、「大学卒業後は、もう二度と大学生活のような毎日が楽しい生活はない。9割が辛いことで、1割が楽しいこと。そんな感じ」。
しかし、もう戻ってくることはありません。戻ってこない大学生活のことを思い続けるのは無意味な行動です。さっさと楽しかった大学生活への未練は捨てましょう。
3. しっかりと寝ること
4月1日に行われた入社式はうんざりするような内容でした。会社のお偉いさんの長い講義があり「その内容は社会人はこうあるべきだ」、「会社に利益をもたらす人材」など思ったより薄っぺらな内容を話していました。深夜3時過ぎに寝たことやつまらない入社式だったこともあり、本当に眠たかったです。
もちろん僕以外の新人社員も眠たかったようで、本当に寝ていた人がいたらしく人事が「寝ている人がいましたけど、今年の新人は度胸あるんやなぁ。なめとったらかくかくしかじかやぞ!」など厳しいコメントをしたり、寝ていた人を指名し「社長が言っていた3つの大切なことは何か答えろ!」と質問して会場が張り詰めた居心地の悪い空間に変わったりする場面がありました。
入社式後に懇親会があり、その際に何名かの同期と話したのですが、複数の同期がこんなことを言っていました。
「昨日は大学の友達と夜遅くまで飲んでて、朝ホテルに戻ってきた」
そりゃ入社式で寝てしまうでしょう。特に地方から出て来た同期にその傾向が見られ、きっと東京という大都会ではしゃいでしまったのだと思います。また、僕にしても深夜3時まで「大学時代に戻りたい」と叶わぬことを考え続け寝不足でした。
どんなにつまらなくても入社式くらいはしっかり話を聞きましょう。社会人としての最初のイベントです。入社式中に寝てしまって人事を怒らせて会場の雰囲気を悪くするのだけはやめましょう。そのために、牛乳とかヨーグルトとか豆腐とか睡眠に良いとされているものを食べて前日の夜はしっかりと寝ましょう。社会人になればいくらでも夜の東京を楽しむ機会があるのですから。
その後
懇親会で出会った同期や社員の方はみんないい人ばかりで、いい会社に入社したんだなと少しだけ感じることができました。
懇談会が終わったあと、母に電話をしたことを憶えています。
「今日入社式の後の懇親会で会社の人にあったけど、いい人ばかりだった。なんとかやっていけそう。」
本当にそう思っていたのか、親を心配させないようにそう言ったのか、今となってはわかりません。結局2年で仕事を辞めることになるので、嘘を言ったことになるわけです。
今でも思うことですが、一番初めである学生最後の日と社会人最初の日の過ごし方を変えておけば、僕は今でもしっかり働けていたのではないかと思ってしまいます。
おしまい。
- 【この記事の続き】新人研修のグループワークで言葉が発せなくなった話
- 【この記事の上位カテゴリーページ】コミュ障でひとりぼっちだった僕の新人研修まとめ