僕は、なかなか会社の人と打ち解けられず、結局は会社の人は「会社の人」という認識で、プライベートで会社の人と時間を過ごすことは皆無でした。配属してすぐに行われた新人歓迎会を兼ねたBBQ大会くらいしか参加していません。
これは同期に対してもほぼ同様で、同期と会社以外の場所で会うことは一切ありませんでした。なので、同期とも仲良くなく、最低限のつながりしかありませんでした。ただ、1人だけ会話をしたり、一緒に帰ったりする同期がいました。唯一つながりがあった同期です。
その同期はよく仕事での困ったことや抱えた問題、愚痴などを僕に話してくれました。でも、僕は困っていることや悩みを話したことがありません。
なぜ僕は悩みや相談をできないのか?ということについて考えてみました。
その同期との出会い
僕の同期は会社全体では100人くらいいまして、ほとんどが東京や大阪に配属しました。僕が配属された名古屋の事業部に配属になったのは8人だけでした。
そこから、だいたい1〜3人ずつぐらいでそれぞれの部門に配属され、さらにその下にグループみたいなものに所属しました。
そこで、僕は1人の同期の女の子と同じグループに配属になりました。
その子は東京の私立大学の出身者で、それも有名な大学でして、やっぱり有名な大学の出身というだけあって、頭も良く、できる人でした。
他の同期はなんとなく接しにくい人が多く、さらに僕は研修中に同期に対して会話をする、言葉を発するということに苦労し悩んでいたので、同じ名古屋に配属された同期たちに対しても接しにくく感じていました。
でも、その女の子に対しては同じところに配属されたということで、話す機会が増えました。そして、そんなに苦労せずに話せていました。おそらく慣れの問題なのだと思います。
会社から徒歩で帰宅する習慣
僕は、会社から1時間かけて歩いて帰るということをよくしていました。
「毎日やることもなく、ただ孤独だったので、そのまま家に帰っては何も起きない。じゃあ、歩いて帰ることで何かハプニングとかに出会う可能性を高めよう」
そう思ったのかもしれません。
この道のりは結構長くて、夏の暑い日は汗びっしょりになりましたが、僕にはすごくいい時間の過ごし方でした。
小学生の頃、犬を飼っていた僕は、犬の散歩に1~2時間くらい行っていました。散歩中はブツブツ頭の中で考え事をしながら歩き、「あれについてはどう対処しよう」とか、「将来はこうなるように頑張ろう」とか、当時は当時で色々な悩みや不安があって、その考えを整理するために犬の散歩の時間を使っていたと言っても過言ではなかったと思います。
なので、会社から家までの1時間の間に、「あのわからなかった部分は明日聞こう」「どうやって聞こうか」「朝一のミーティングで切り出すのが一番簡単だけど、僕には難しい」「でも、切り出さなかったら、その後の自然な流れの中で声をかけて、先輩に聞かなきゃいけない」「それはもっと難しい」などと考えていました。
夕方の風景は、朝の風景に比べると、落ち着いているし、ざわつきがありません。だから、かなり心休まる時間でした。
悩みや不安を話す同期と何も話さない僕
配属後、新入社員は早めに帰るように催促されていましたし、先ほどの同期の家は僕の家の近くだったので自然と一緒に帰ることが多くなり、その際も歩いて帰っていました。
また、配属してしばらくすると別々のプロジェクトで働くようになりましたが、ときどき一緒に歩いて帰っていました。
帰るとき、彼女は彼女の今までの生活や最近の生活まで色々話してくれたように覚えています。会社で起きた困った話、会社で起きた楽しかった話など。
一方の僕は、当たり障りのない最近見たニュースや最近であった面白かった出来事とか、そんな薄っぺらい話をしていました。いつも頭の中で考えていたような悩みを整理したり、対策を考えたりといった内容を話すことはありませんでした。
彼女の話を聞きながら「彼女は、そんなに楽しいのか・・・」と僕は心の中で思ったし、「なんで、僕は楽しくないんだろう?」とも思いました。それと同時に、「僕は会社の話をしたくない」という気持ちもありました。
なぜ、僕の悩みや状況を彼女に相談できなかったのだろうか?
その同期は僕に対しては会社で不安なことや嫌だったことを話してくれたのに、なぜ僕はそういう話をしなかったんだろう?
もし、それができていれば、僕は解決策を得られたかもしれない。
そんな後悔が少しありますが、僕にはとてもできなかったでしょう。
僕が悩み事を相談しない理由
なぜ相談できなかったのか?
いくつか理由があります。
理由1:同期に比べて楽な仕事
すぐ思いつくのは、僕の仕事は同期の中で一番楽だったということです。。
同期たちは、順調に社内でも信頼されるようになり、残業が毎月80時間超えてる同期、すでに4つくらいの仕事を任された同期、後輩の世話をしている同期などがいました。
僕はというと、そういうのとは無縁で、仕事は1つで、定時17:30には会社を出て帰宅する毎日でした。
そんな僕が悩みや不安があるのはおかしい、恥ずかしいと思いました。
彼女が悩みや不安を口にするのを聞いて、彼女は悩む側、僕は悩まない側でなければならないと思っていました。
なので、自分の話を切り出すことはできませんでした。
理由2:心配されたくない
心配をかけることが嫌だったからというのもあります。
中学生の時に1年間だけいじめにあいました。
毎日、定規の先端で頭を叩かれ、肩にパンチされ、頭はタンコブだらけ、肩は青ジミだらけ、学校に行くのがいやで学校を休むようになりました。
僕の親は共働きで僕より先に家を出ます。また、姉も妹も同様に僕より先に家を出ていました。なので、親には休むことを言わず、自分で学校に電話して「体調不良で休む」と伝えていました。
最初の頃はそれでなんの問題もなく休め、親にも学校を休んでいることは知られませんでしたが、欠席をし始めてから4日目の木曜日の夜に担任から電話がかかってきて、親がその電話を取ったことで、親に学校を休んでいることがバレました。
そのとき、親はすごく僕のことを心配し、姉は「学校に行きたくないなら行かなくていい、家にいて大丈夫だから」と言ってくれました。
そして、僕はボロボロと泣きました。
とにかく、親や家族に申し訳なさでいっぱいでした。学校でいじめられているという不名誉な状態になっていてごめんなさいと思いました。
社会人になり、色々な悩みや不安がありましたが、「わざわざ大学まで出してもらったのに、こんなことでくよくよするのは情けない」と思い、親には会社の話は一切しませんでした。
とにかく、心配させたくなかったです。家族はもちろん、他の人も。
理由3:わからないから
悩みを相談したところで、どうすればいいのかわかりません。
- 僕は何を期待して、この悩みを打ち明けるのか?
- 相手にどうして欲しいのか?
- 相手を困らせてしまうのではないか?
- 相手が答えを持ち合わせていなかったら、どうなるのか?
- 話した後、僕はどんな表情をしていればいいのか?
- 相手の応答にどう反応すれば良いのか?
- 喜んでいいのか?悲しい顔をする必要があるのか?不安な顔を続けなければならないのか?
それがわからない。
だから、悩みを打ち明けられない。
おそらく、話しかけられないという症状もこれの関連症状なのだと思います。自然な会話の中で、話しかけることができないというのは、話しかける最初のきっかけ部分がわからないという話です。
悩みを相談したところで、相手にどうして欲しいのかがわからない、自分はどうすればいいのかわからないというのは、話しかけるきっかけを乗り切ったところで、その後どう対応すればいいのかわからないということだと思います。
当時はこれが精一杯
そんな僕でしたので、不安や悩みは自分一人の中に溜め込まれて、それから逃げるためにお酒をたくさん飲み、朝が来るのが嫌なので夜更かしをし、やらなければならないことを後回しにするようになり、こうしたことが僕自身の体調の悪さへとつながり、悪循環を引き起こしていました。
これらの悪循環を改善することはできたのでは?と今は思いますが、当時はこれが精一杯だったのかもしれません。
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