前回働いていた商社系のシステム会社での仕事は9月まではいられるはずでしたが、ミス多発で迷惑をかけっぱなしで、結局6月いっぱいではじき出されました。
はじき出された僕は7月から社内勤務に変更になり、あるシステムの保守を担当することになりました。そして、その仕事が僕の最後の仕事になりました。
引き継ぎをした際に感じた一抹の不安、いざお客さんからの報告を受けた際に全く理解できなかったこと、そういう話です。
引き継ぎ:「わからないことがわからない」という不安
まず引き継ぎを受けました。社内のミーティングスペースにて、そのシステムに関わってきた4人と上司2人と僕の合計7名が引き継ぎに参加しました。
設計書がないのでイマイチわからない
全く統制のとれた説明ではなく、思い出したことをそれぞれの人が僕に対して説明するというようなものでした。
なぜ、そんな説明方法になっていたのかというと、このシステムには設計書がないということで、みんな雑談のように思う出したことを僕に説明していきました。終始雑談のように行われたため、「イマイチ内容を理解できていない」というのが本音でした。
設計書があれば、雑談的な説明でも、僕の頭の中ではシステムの包括的な理解がでたのではないかと思います(設計書がないシステムは結構あるそうですが、僕のスキルはほぼ新入社員レベルのスキルなので・・・)。
実力もないのでイマイチわからない
また、この4人はどちらかというとエンジニアっぽい人たちで、その会話は雑談的であるにも関わらず、2年目の僕には理解しづらいものでした。用語、技術的な話はもちろん、冗談でさえ技術的で、とっつきにくかったです。
また、ホワイトボードに即興で描かれた図を使って、次々と話が展開していく説明のスピードにはついていけず、「ぽかーん」としてしまうほどでした。
ITスキルやコミュニケーションスキルが十分にあれば、もっと理解できたのかもしれません。
僕の理解程度でよいのかさえわからない
それでも僕は必死になってノートにメモを取り、図を描き、休まずに頭を働かせて引き継ぎを受けました。
そして、「とりあえず、理解できた」という気がしました。
最後に、「不明点や質問ある?」と聞かれ、こう答えました。
僕「いや、ありません」
心の中ですごく違和感を抱きました。
「不明点はありません」。でも「わかっています」とは言えません。わかってはいますが、この程度の理解で良いのかもわかりません。
今は「ありません」と答えることしかできないのです。なぜなら、わからないことがわからないからです。
心の奥底で、これはダメかもしれないと一抹の不安を感じました。
実務:「やっぱりわからない」という途方感
そして業務は始まりましたが、結論からいうと全然ダメでした。
お客さんから、不具合やバグの報告が来ますが、システムのどこから確認すれば良いのかさえわかりません。
設計書を見たいのですが、設計書はないのでソースをダイレクトで見て、ノートのメモと照らし合わせますが、全く役立ちません。ほぼ素人が一度の引き継ぎで書いたメモですから、全然違う別物と言っても過言ではないと思います。
それでも、「やがて慣れて、できるようになると信じよう」と思いましたが、そう思えば思うほど、それがすごく途方もなく感じられて不安でした。
東京から太平洋を泳いでロサンゼルスへ行かなければならないのに、まだ2kmしか泳いでいない。それなのに、こんなに息切れして、クタクタで、もうこれ以上は泳げそうにない。
こんな状況において、泳いでロサンゼルスにたどり着けると思えますか?
そんな気分でした。
- 【この記事の続き】何時間、何日間かけても仕事の問い合わせを1人で解決できない!
- 【まとめ記事】社内ニートでうつ病になり休職後に退職したサラリーマン時代のブログ